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村上の塩引鮭 
2008.01.12.Sat / 10:54 
 昨秋、魚津水族館横の早月川鮭簗場のさびれた様子を見て、わたしが勝手にシーズンオフと勘違いしていた向きがある。なんでも県内の各簗場はいずこも散々な漁獲量に終わっていたらしい。

 カミさんの言によると(TVが報じていたらしいのだが)、日本海に流れ込むはずの寒流が途塩引鮭絶え、アリューシャン列島沿いに南下する鮭の成魚の回遊が極端に少なかったというのだ。反面、滅多に鮭が遡上しない、太平洋に面した茨城などの河川が、時ならぬ豊漁に沸いたのだとか。鮭の帰趨本能も当てにならないものだな、と淋しく思えたり、これも温暖化のせいかよと無暗(むやみ)に腹立たしく思えてきたりするのである。

 そんな折、親戚からお歳暮に、三面川(みおもてがわ・新潟県村上市)で獲れた鮭の、見事な「一本姿づくり」を頂いた。化粧箱に同封されたパンフによると「……村上は平安の昔から鮭の町として知られ、世界に誇る鮭文化を築いてきた……百を超えるともいわれる鮭料理の代村上の鮭表のひとつが『塩引鮭』」。「又、腹が二段開きになっているのは、切腹を嫌った城下町ならではのこだわり」が、今に受け継がれているからなのだという。

 そういえば、輪切りにした身のいくつかは、厚い皮で包(くる)まれていた。身に箸をさすとフレークとなってほぐれる。豊かな風味が口中にあふれるのだ。丹精込めた製法から生まれるのだろう。

 長生きはするものだ。いろんな「味」に出会えるから。
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 鳴海仙吉

Author: 鳴海仙吉
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↑『ペンション』「四季水彩」主宰
             田中千尋氏。

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